田中玉水堂花札と八八道具

大変貴重な田中玉水堂の花札と八八の道具。

多分、大正~昭和初期の頃の物ではないかと思います。

花札には「こいこい」「花合わせ」など様々な遊び方がありますが、その中でも最も面白いと言われるのがこの「八八」

ただ覚える事が多くルールも複雑なので今では忘れられつつある遊び方です。

「八八」は明治時代の横浜遊郭から発展したと言われる遊び方で、花札以外にも得点を表す札や「貸し」を表す「菓子札」手も足も出ないの洒落の「目の飛び出す達磨」など様々な道具を使う遊びで、今のカードゲームやボードゲームの走り中の走りですね。

そして!道具に付属していた田中玉水堂の花札!

これも大変貴重な札で、通常は文字の書いていない藤・菖蒲・萩の短冊に八八の役「立三本」を表す「たてさん」という文字が書かれてます。

これは今では中々見る事のない貴重な花札なんですよ!

日本人は限られたスペースを極限まで楽しむ事に非常に長けていると私は思います。

それは多分、どこまでも陸の続く大陸と違って、島国という限りのある土地という事をどこかで意識して生きてるからだと思うんですよね。

一つの空間を芸術の域まで高めた世界で言うと茶道・華道・香道などはその代表ではないでしょうか?

こういった札遊びも道は違えど、一つの空間で楽しむという意味では通ずるものがあると私は思います。

花札は単なるおもちゃ・遊び道具ではなく、職人の手仕事が感じられる立派な日本の文化です。