革の手縫いとは・・・

革の手縫いとは・・・
「手縫い」と聞くと殆どの方が、洋裁で布を「なみ縫い」する姿を想像されます。

実は革の世界の手縫いは、布のなみ縫いとは全く異なる手法なんです。

洋裁のなみ縫いは、蛇行するように一本の針で糸を縫い穴にくぐらせていきますが、革の手縫いは、最初に糸をある程度の長さに切って、糸の両端に針をつける「2本針」という手法です。

そして、縫い穴1つに対して糸を交差させるように、革の表と裏に2本の針をくぐらせます。

こうして縫い穴の一つ一つに糸を交差させて2本の針で縫っていく作業が、「革の手縫い」です。

この「2本針」で縫い上げられた縫い目は非常に頑丈で、仮に縫い糸が切れたとしても、切れた所から解れる(ほつれる)ことなく、他の縫い目は何の影響もなく保たれます。

縫い穴1ヵ所に対して2回縫っているので、糸が切れてもその場所だけで済むという訳です。

革の手縫いは縫い穴を縫っていくというよりも「縛っていく」ような感覚で、非常に時間と手間暇を要する作業ですが、革という素材の持つ本来の強度に加え、2本の針で縫い上げるものはさらに強度を増します。

単に縫い合わせるだけではなく、「革の手縫い」というのは非常に重要な意味を持ちます。